No.46 色を変える北の空

その日は朝から霧の中を移動し続けていた
やっとたどり着いた今宵の宿泊地
テントを張り終えても空はまだ鉛色の雲に覆われたまま
夕暮れが迫る頃、幕が上がるかの様に西の空の雲が消え始めた
そしてそこから現れた本日の主役が湖の湖面を黄金色に輝かせる
やがて鉛色の空さえも真っ赤に染めるフィナーレを向かえ
主役が舞台の端へと消えた後には薄紅の残照だけが残されていた
旅人達を魅了してやまない道北の湖に沈む夕日である

〜編集後記〜

夕日シリーズの第2回は道北のクッチャロ湖です。
湖に隣接するキャンプ場は美しい夕日を楽しめることでも知られていますが、私達が泊まったこの日は朝から生憎の曇り空。
完全に諦めていたところ、夕方になって奇跡的に雲が晴れ、素晴らしい夕焼けを楽しめました。
快晴の時よりも、雲の多い時の方が印象に残る夕焼けが見られますよね。
このキャンプ場は温泉も隣接し、毎回快適な一時を過ごせる我が家のお気に入りの場所にもなっています。