まずはビジターセンターからポロト湖へと向かう。この部分は自転車道となっているので、舗装されていて歩きやすい。
ホロホロ山系の伏流水を源とするウツナイ川が、蛇行しながら直ぐ側を流れている。
春先ならば周りの草も伸びていないので、直ぐ川縁まで近づくことが出来る。
澄んだ水の流れはとても美しい。水深が浅いので、その中に入って遊びたくなるが、湧き水を集めて流れているような川なので、夏場でも水はとても冷たい。
裸足で川に入ると、冷たさで直ぐに足が痺れてくるだろう。
私達が歩いたとき、その流れの中でちょうど水芭蕉が咲いているところだった。
それほど大きな群落にはなっていないけれど、ポロト湖周囲の所々でその姿を見ることが出来る。ひょうきんな姿の谷地坊主など、付近一帯で湿原の風景も楽しめる。
その湿原を上空で大きくまたいでいるのが道央自動車道で、近くに来ると車の走行音がちょっと耳障りだ。
ここには植物観察用の浮橋が湿原を横断するように架けられていて、その上から湿原の様子を眺められるので、人気スポットにもなっている。
ポロトの森には湿原や小川に湖とあらゆる環境が揃っているので、そこを住処とする数多くの野鳥の姿を確認できる。
探鳥会らしきグループも多く、ちょうど私達がここを歩いている時、双眼鏡を覗き込む一団が遊歩道を塞いでいて、邪魔くさいのでその脇を通り過ぎて前に出たところ、直ぐ目の前の木にアカゲラがとまっているのが目に入った。
あっと思って歩みを止めたけれど、私達に驚いたアカゲラはそのまま飛び立って行ってしまった。
一斉に非難の視線が背中に浴びせられるのを感じながら、そそくさとその場を立ち去るしかなかった。
ポロト湖へ近づいてくると、森の中で一際大きく枝を伸ばす樹木が目立つようになってきた。もっと近くで見たいけれど、林床がミヤコザサに覆われているので、容易には近づけない。
そんな思いで歩いていると、遊歩道の土留め代わりになっているような巨木が出迎えてくれた。
二人がかりで両手を広げても回りきれないようなクリの木である。
ここからポロト湖沿いに歩いていけばミズナラやカツラの巨木にも出会えるのだが、この日は時間が無くて断念。
案内図を見ると「巨大な切り株」と言うものもあるらしく、次回には是非見てみたいものである。 |