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賀老高原

賀老の滝・ドラゴンウォーター・ブナ林(太古の森・樹海の森)

 島牧村から千走川沿いに15kmほど山間部に入ると狩場山麓の広大な高原が広がっている。ここが賀老高原と呼ばれ、その迫力では道内でも一、二を争う賀老の滝、そして面積1万ヘクタールを越えるブナの原生林など、非常に魅力的な地域となっている。
 現地までの道は舗装されて走りやすくはなったが、千走川温泉から先の山道は幅も狭く対向車が来るとヒヤッとしてしまう。
 そんな山道を走ってきて賀老の滝駐車場に到着すると、山奥の割には意外なほど整備されているのにちょっと驚くかもしれない。
 駐車場に隣接するキャンプ場も新しくなり、島牧村の重要な観光資源として村も力を入れているのだろう。
 周辺はタケノコ(根曲がり竹)が沢山採れるので、春の山菜時期には観光客よりもタケノコ採りの車の方が多いくらいだ。
 このタケノコ採りは、根曲がり竹が密生する藪の中に入っていくので迷子になりやすい。そのために、帰りの目印として、ラジカセで大音量の音楽を流している人が多い。そしてその音楽は、山菜採りの方々の趣味に合わせているのか、圧倒的に演歌が多いのである。
 したがってこのシーズンになると、山深い賀老高原の森の中から野鳥の囀りに混ざって北島三郎の「北の漁場」が聞こえてくるような独特な雰囲気となってしまう。

 観光でここへやってくる人間のほとんどは、賀老の滝見学が目的である。しかし、予備知識無しで訪れた観光客は、その駐車場から賀老の滝が見える場所までの道のりの険しさに根を上げてしまうだろう。
 ただ、ここまで来るような物好きな人間ならばそれなりの覚悟はできているはずだ。
 まず、駐車場から滝への降り口まで500mほど森の中の遊歩道を歩く。舗装された道もあるが、どうせ歩くのならば森の中の方が気持ちが良い。
 平坦な道なので、ブナの混ざるシラカバ林の風景を眺めながら歩いていけば、苦もなく滝の降り口まで着いてしまう。そこにはトイレや水飲み場もあるので、一休みできる。
 賀老の滝見学には、チラッとその姿だけを見て帰れるようなお手軽コースというものが用意されていない。滝の姿を確認するためには、その降り口から急な階段の続く道を距離にして700m、高低差にして100m程降りていかなければならないのである。
 階段と言っても公園にあるような階段ではない。絶壁に近いような崖に無理矢理階段をつけているので、段差がやたらに大きいカ所があったりと、しっかりとした靴でないと歩くのは大変だ。
 以前は途中の展望テラスまでしか道が整備されていなかったが、現在は河原近くにも展望所が作られ下まで降りられるようになっている。
 賀老の滝は高さ70mの断崖から、35mの幅で一直線に流れ落ちる、単純かつ豪快な、如何にも滝らしい滝である。
 滝壺が無くて、岩の上に直接水が落ちてくるものだから、立ち上がる水しぶきも相当なものである。春先の水量が多い時期ならば、風向きによってはこの展望所まで水しぶきに包まれることもある。
 その気になれば岩を乗り越えながら滝にもっと近づくことも出来そうだが、その場合はずぶ濡れになることを覚悟しないとダメだろう。
 帰り道は、修行僧になった気分でひたすら階段を上り続けるだけである。

賀老の滝 賀老の滝 賀老の滝
駐車場から滝への降り口まではシラカバ林の中を抜けていく 滝へ降りる険しい道 道を降りた一番下に展望台がある
賀老の滝 賀老の滝 賀老の滝
展望台からは賀老の滝が正面に見える

旧展望テラスからはやや斜め方向から滝を見ることになる

河原まで降りて、ここから滝の下まで行こうと思えば何とかなりそうだが・・・


  滝の降り口まで戻ってきて、もしも余力があればドラゴンウォーターを見に行っても良いだろう。
 仰々しい名前が付けられているが、ようは河原から湧きだしている炭酸水のことである。見て面白いものでもなく、飲んで美味しいものでもないので、途中の山道を楽しむくらいの気持ちで行った方が、最後にがっかりしなくて済む。
 滝の降り口まで戻ってきたら、そのまま舗装された道を駐車場とは反対方向へ進む。やや行くと橋があるので、その橋を渡らずに川沿いの荒れた道を上流に向かって歩く。
 以前は橋のところに看板が立っていたはずだが、2005年6月の時点でここの看板は無くなっていた。
 しばらく進むと川へ降りる丸太階段があり、そこにドラゴンウォーターの看板が立っている。
 「で、どこがドラゴンウォーター?」
 私が初めてここを訪れた時は、それがどんなものなのさえ知らなかったので、全く場所の見当もつかずに引き返してしまった。
 ドラゴンウォーターは川の中を少し上流に上ったところの、大きな岩の根元付近からチョロチョロと湧きだしているのである。その付近は岩が赤く変色して、小さな泡がプクプクと立っている。
 最近は川の中の岩に矢印が書かれているので、宝探しみたいにその矢印を辿っていけばその場所を見つけられるだろう。
 長靴を履いていれば良いが、普通の靴だとその辺の石に飛び移りながら進むことになる。雨で川の水が増水すると、ドラゴンウォーターも水没してしまうし、諦めた方が良いだろう。
 この水を飲用すると慢性消化器病、便秘、貧血に効果があるとされているが、鉄臭くてとても飲めたものではない。
 なお、このドラゴンウォーターの直ぐ近くには車道から入ってこられる駐車場があるので、わざわざ歩いてくる必要もない。苦労して歩いてきたのに、直ぐ近くに駐車場があったことに気が付くと、再び歩いて帰る気力が無くなってしまう。
 同じく、ブナの森へも滝から散策路が続いているが、ここも車で移動してブナの森入り口の駐車場から入った方が良い。

ドラゴンウォーター ドラゴンウォーター ドラゴンウォーター
ドラゴンウォーターへの道は川の中で行き止まり そこから石に書かれた矢印を頼りに少し上流へ 石の下の赤茶けた場所からドラゴンウォーターが湧いている


  賀老高原最後はブナ林の散策を楽しみたい。
 狩場山系に広がるブナ原生林の面積は、10,700haで日本一の広さのブナ林である。賀老の滝駐車場を通り過ぎて舗装道路を進むと、太古の森と名付けられたブナ林の駐車場に到着する。
 駐車場からは昇龍の橋という吊り橋を渡って森の中へ入っていくが、この橋が絶景ポイントである。新緑や紅葉の時期の眺めは最高である。
 この橋の下を流れる千走川が、もう少し下流で賀老の滝となって高さ70mの断崖を流れ落ちているのだ。
 橋を渡り、遊歩道を左へ少し進んだところで賀老の滝を上から見下ろせるポイントがある。木の枝が邪魔になり滝の一部しか見られないが、急な階段を下りずに賀老の滝の姿を望める場所はここだけしか無いのである。
 この遊歩道はウッドチップで舗装されていて歩きやすく、そのまま一周して昇龍の橋まで戻ってくることができる。
 その手前で脇道に入り小さな沢にかかる木橋を渡った先に別の遊歩道がある。こちらの道は舗装されていなくて、より自然なブナ林の散策を楽しめるだろう。
 木橋のかかる沢はカサノ沢という名前で、苔生した岩の間を清流が流れるとても美しい場所だ。
 両方の遊歩道は8の字を描くように周遊(全長3km)できるので、その中間地点となるこの沢はちょうど良い休憩ポイントになる。
 平成16年の台風18号による強風で、賀老のブナ林も大きな被害を受けてしまった。
 平成17年の6月に歩いた時点では、林内の方々に倒れたブナがそのまま放置されている状況である。まだ若いブナから樹齢数百年もありそうなブナまで、強風の被害は無作為に及んでいるようだ。
 カサノ沢にも多くの樹木が倒れ込んでしまい、以前の美しい景色は見る影もない。
 このブナ林がもとの姿を取り戻すまでには、これからまた気の遠くなるような年月を必要とするのだろう。
 それでも、現在のブナ林の姿に不満があるわけでは全くない。過去に例の無いような台風の強風を耐え抜いたブナの巨木がまだ沢山残っており、ぽっかりと空いた森の中の空間では、直ぐに新しい命が育ちはじめることだろう。

 ブナ林駐車場への道を途中から真っ直ぐに砂利道へ進み、少し進んだ先には樹海の森と名付けられたブナ林があり、そこにも遊歩道が整備されている。(全長1.3km)
 こちらの様子も見てみたが、以前の野趣に富んだ遊歩道は倒れたブナの切り出しのために作業道として使われている様子で、現在のところは歩いて楽しい道では無いかもしれない。
 しかし、あと数年も経てば、自然の回復力が作業機械の通った道を覆い隠し、もとのような静かな環境を取り戻しているはずだ。
 なお、賀老の滝駐車場に設置されている案内看板では、「太古の森」が「ブナ遺伝子保存林遊歩道」、「樹海の森」が「ブナ林散策路」として表示されている。
 樹海の森入り口を通りすぎてそのまま林道を先に進めば、賀老高原の広大なブナ林を一望の下に見渡せる絶景ポイントがある。舗装がとぎれてから約5kmほどでそのポイント峰越峠に至るが、かなり荒れた林道なので走行には注意が必要だ。
 賀老の滝にブナの森、賀老高原の魅力をたっぷりと満喫するには1日では足りないかもしれない。キャンプ場が併設されているので、そこに泊まってじっくりと時間をかけて歩きたい場所である。
 ただし、賀老高原のある狩場山地は熊の生息密度も高い地域であり、森の中の散策時には熊除けの鈴なども準備しておいた方が良いだろう。

ブナの森 ブナの森 ブナの森
昇龍の橋からの新緑風景 昇龍の橋からの紅葉風景 新緑のブナ林
ブナの森 ブナの森 ブナの森
紅葉のブナ林 涼しげな清流が流れるカサノ沢、樹木が倒れ込んでちょっと荒れてしまった カサノ沢、秋の風景が素晴らしい
ブナの森 ブナの森 ブナの森
ブナの巨木の新緑 見上げるようなブナの巨木が沢山ある 峰越峠から見た賀老高原の広大なブナ林

見聞録関連ページ 2003年キャンプ日記 ・2005年キャンプ日記
周辺のキャンプ場 賀老高原キャンプ場
参考サイト 島牧村賀老の滝周辺マップ」 ・なまら行きてぇ北海道ドラゴンウォーター
二人の館賀老の滝
周辺地図 マピオン地図

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